dms9000 blog

ゲームプロデューサー8年、ネットの事業企画やマーケ10年、スタートアップ経営者2年と渡り歩いてきましたので、その辺の話を書いています

マイナス観点が事業の精度を上げる

先日のエントリーの続きです。 

業績が好調なときの落とし穴 - 元ゲーム会社プロデューサーが解説するブログ

よくあるのは好調さから浮足立ち、現状の課題を把握せず、やりたい放題になることです。好調ならキャッシュも入るから当面は問題ないですが、費用対効果も考えずにコストを浪費するのは長期的には悪い習慣が付きます。

もう少し解説が必要ですね。

まず、事業を推進するにはプラスとマイナスの存在が必要と言われます。そして、私も真理だと思います。
プラスとはアクティブ、ポジティブな考え、行動の人物です。
マイナスは石橋を叩く人物です。


事業で施策を打つ際に「行け行け」な考え方も大事ですが、「それは本当に意味あるんだっけ?」とアラートを出す存在がいると事業推進の精度が上がります。
後者の存在は冷水をかけるに等しく、損な役回りになりがちです。が、当人にロジカルな説得力と普段の人間性が備わればそれは回避できますし、機能します。

 

つまり、こうしたマイナスを考慮できる人材を入れることで社内の精度は増します。

なぜ、そうした人材の話をしているかと言うと、最初に戻って「好調さから浮足立ち、現状の課題を把握せず、やりたい放題になること」を避けるためです。

 

具体例として、私の経験をお話します。若い頃、大手ゲーム会社にいた頃の話です。
私のいたネットワークコンテンツ部門は爆発的に売上が伸びていました。部長もマネージャーもイケイケ派です。仕込むコンテンツを増やし、プロモーション費用も増加、IPのメディアミックス展開も広げ、しかし人的リソースは微増でした。結果、社員1人辺りの労働時間は増大し、一部の社員に業務が集中しました(私もその1人でした)。

 

事業は右肩上がりでしたが、時間が経つと綻びが目立ち始めます。疲弊から1つ1つのオペレーションはミスが目立ち、サービスに不具合が目立ち始めました。

 

部長は人的リソースを社内外から追加するも、後手でした。

教育コストが増加することでさらに社員の負担は増大、またオペレーションスキームも立上げ当初の雑なママでしたので、異動者や中途採用者が機能し始めるのに時間がかかる始末です。

やがて右肩上がりは半年後に減速し、停滞期に入ります。
悪い時には悪いことが重なります。ピークに達している疲労は魔法が溶けます。やがて社員のモチベーションは下がり、さらに売上も前月比でマイナスへと下り始めました。

 

そうしたダウントレンドが半年続くと、部長はお役御免、マネージャーは別部門へリリースされ、体制が一新されます。外からやってきたベテランの部長は前述のマイナス面の視点から体制面を再構築し、現場のキーマンを昇格させることでモチベーションを上げてきました(私もその1人でしたが本当に嬉しかったのを覚えています)。

 

体制を固め、モチベーションを上げ、施策も整理した結果、売上はV字回復し、そのまま右肩上がりを続けることになります。

 

マイナスの観点を持つ人材を入れると精度が高くなる実例と言えます。

蛇足ですが、私がロールモデルにしているのはこのときの部長です。