dms9000 blog

ゲームプロデューサー8年、ネットの事業企画やマーケ10年、スタートアップ経営者2年と渡り歩いてきましたので、その辺の話を書いています

経営層に最も重要なのは組織作り

「経営層として注意したこと」という質問をいただきましたので、まとめます。

まず、最優先で取り組んだのは組織作りでした。


以前、社長は「企業価値の最大化に責任を持つ役割」と定義しました。会社としてどのような価値を誰に提供するかを定め、価値を最大値まで高めることが社長の使命となります(いわゆるミッションです)。

 

ならば、経営層は以下のことを考え、実行するのが仕事です。

  • ミッションを達成するため、目標値を定めること
  • 逆算し、いつまでに、何を達成するかを細かく決めること
  • そこに至るに足りないものは何かを明確にすること

そして、実現する手段として組織が必要です。
目標を実現するには会社が作りたい価値に共感してくれた人たち、会社が欲しい職種に適合するスキルや人間性を持った人たちを迎えることになります。そして、社員がその力を存分に発揮できる環境を整える必要があります。

そこで、現在の課題抽出を最初に行い、対策を打ちます。

 

つまり、社員が効率的効果的に働ける仕組みを整備し、生き生きと働ける制度を用意し、必要な人材を雇用し、必要な施策に投資することです。

 

実は過去にこのブログで紹介した考え方はツールや進め方は全てこの1点に集約されます。そして、このノウハウはトライ&エラーによって獲得できるのでスピードを早めたい場合、そういった経験者を雇用することをお薦めします。

 

この辺りが未整備なまま突っ走るといずれ綻びがでます。
表面的に部門を作る、肩書を作る、足りない職種を採用するといった短期的なアクションだけではいつか綻びがでます。

長期的視点から課題と改善策を積み重ねることで未来の問題を軽減できるからです。

 

社長や他の経営層が目標からの逆算と長期的な視点を持ち、組織を成長し続ける存在が会社には必要となります。

 

vtuberの市場規模と展望

<はじめに>

TLにこうしたtweetが流れてきました。事業開発心をくすぐられ、考察したらbuzzったのでこちらにまとめます。

 

 

仰る通り、vtuberが参考にする既存市場はこの辺りでしょうか。

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ソース:

「オタク」市場に関する調査を実施(2017年) - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

CA Young Lab、2017年国内YouTuber市場調査を実施 | 株式会社サイバーエージェント

 

芸能事務所はライブやドラマなどVtuberが応用しづらい領域が広く入ってくるので割愛しました。

気になる人はアミューズとかエイベックスのプロダクション部門の数字が各社IRにあるのでお調べください。

 

本題に戻りまして、もう少し細かく見ていきましょう。

 

<ボカロ>

主に以下の種別で構成される市場です。詳しい区分はソースをご覧ください。

近年は微増トレンドですね。

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ソース:

ボーカロイド市場の実態と展望 | Xビジネス - クールジャパンなマーケティングポータル

2016 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究 - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

 

<国内Youtuber市場>

国内Youtuber市場も領域の詳細はソースをご参照ください。

タイアップも含めて広告がほとんどです。

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なので、大元は動画広告市場になります。

動画広告市場は成長トレンドの様子。

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ソース:

CA Young Lab、2017年国内YouTuber市場調査を実施 | 株式会社サイバーエージェント

 

構造は、動画広告市場>国内Youtuber市場>Vtuberになるでしょう。

この市場が分母となり国内Youruber市場、さらにVtuberはそのパイをどれだけ食えて成長できるかが期待できます。

 

なお、Youtuberのタイアップはスキームができているし、大手広告代理店が既に人気Vtuberに声をかけていてもおかしくはありません。

 

<良いところ取り>

これまでの流れから、vtuberの潜在性を広告は国内Youtuber市場から、グッズはボカロから数字を拾ってくると、こうなります。

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「既存市場が242億円だから、その一角に食い込めるかも」というアタリが付きます。これをその程度と見るか、すげーと見るかは各位にお任せします。 

前述のように国内動画広告市場が伸びてVtuberの市場規模が拡大することが期待されます。

 

<今後ありえる>

あとは既存市場にない領域で金脈を当てるかですね。

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ソフト:@GOROman のシステムがここ。つるはしを売る的な。

 

タレント:CM出演料は軽微。今回は除外したライブとか音源とか映像とかIPを軸にした商品の方が伸びる。

 

低年齢層商品:低年齢層とvtuberの相性が良いのではないかという仮説。

 

Eテレが既に教育番組でCGキャラクターを出している
・幼児とyoutubeの相性の良さから

 

歌とか料理とかダンスのアプローチになりますけど。第2のサンリオとか玩具市場とか狙えるかも。

 

 

以上です。

ラフですが新しい市場の考察って楽しいですね。

 

 

そもそも分析は必要なのか?

アナリティクスのスキーム構築で困る事態があります。

「そもそもこの事業やサービスはアナリティクスが必要なステージですか?」といった事態です。 例を出してお話します。

 

ゴールを売上とします。

自社のサービスが10万MAU、課金率3%だとします。
アナリティクスをグロースに活用する場合、最初に考えるのはKPI=課金率でしょう。
しかし、そして、グロースで向上できるのは0.1%単位です。このMAUでは課金率を0.1%ずつ上げたとしても、差分は月+10万円づつです。これではアルバイトも雇えません。

 

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一方、MAUはどうでしょう。
図のようにMAUを仮に月10%up(難しい数字ではないと思います)、月1万づつ上げれば、差分は月+30万円づつとなります。課金率をグロースさせるよりも遥かに効果は高いです。ようやく社員の給料分くらいは払える金額です。

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無論、MAUの成長はアナリティクスで推進できます。
ですが、そこまでゴリゴリにアナリティクスをやらずともMAUを伸ばすことは可能です。

 

1.ユーザーの声を聞く
CSやSNS上にあるユーザー評価(ポジティブ、ネガティブ)をもとにサービスを改修します。これによって、ポジティブな点は評価されている点を磨く判断に、ネガティブな点は解消する判断に役立てます。

 

2.継続MAUを伸ばす
MAUは新規と継続に分解できます。

新規:外からユーザーを集客します(広告、広報、SNSなど)
継続:一度訪問したユーザーに再訪してもらいます

 

新規はコストと人手がかかります。
一方、継続ユーザーは現在の人的リソースがサービスを改修することで対応できます。一度訪問しているユーザーは再訪手段も見えます。また、継続要因、離脱要因が分かります。そのユーザーの声を定量データから取るか定性データから取るかです。

 

無論、両方取るのが正解ですが、人手とコストがかかります。

一方、サービス立上げの初期段階では前述のユーザーの声といった定性データをもとに継続ユーザー数を積み上げる方向性も考えられます。そして、この方向性ならばGoogle Analyticsを見る程度で十分ですし、分析専任も不要です。

 

アナリティクスが成長ドライバーになるのは、ある程度スケールしてからでしょう。例えば、図ではMAUが100万以上だと月+100万円になります。これでようやく社員を何人か雇っても改修できる程度になります。

 

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誤解を避けたいのは「アナリティクスに力を入れるならばMAU100万から」という話ではありません。まとめます。

 

<まとめ>

  • アナリティクスによるグロースは0.1%を積み上げることです
  • アナリティクスに必要なステージはある程度トラフィックを得てからです
  • もし、トラフィックがなくても現在のステージに最適なグロース手法を取ることができますし、現有リソースで対応できる方法もあります
  • そのために、適切なKPIとユーザーフォーカスを進めましょう

 

上手く行っていないからといって変にデータを抽出してダッシュボードを毎日にらめっこするならば、ユーザーの声を拾った方が近道ですよ。

 

おすすめの分析ツール、仕組み化

更新を不定期にするとお話ししたら、相談が増えました。これも友人からのリクエストです。「おすすめの分析ツールを教えてほしい」とのことです。

 

確かに得意分野ですが、これって個別相談の世界ですね…
アナリティクスは予算、現在の分析環境、導入対象サービスの成長ステージ、社内のデータアナリティクスの練度、データサイエンティストの有無など変数が様々です。汎用的にお役に立てるお話ができかねます…

ひとまず、過去に自分が作った仕組みのお話をします。

 

<方針>

  • 分析専用環境は用意した方が色々と便利
  • データを共有するなら自動化!
  • アナリストはExcel使うな。BIで出せ(効率良し、処理も早い、ミスする工程も少ない)

 

<環境>
■Big Query

cloud.google.com

  • 従量料金ですが、安い
  • 他ツールと連携しやすい
  • とにかく、あらゆるツールで集積したデータ(個人情報を除く)はBig Queryに流し込むという大雑把な運用でOK

 

ダッシュボードツール>
■re:dash

redash.io


無料のダッシュボードツールです。もはやスタンダードとなりつつありますね。

  • Big Queryと連携できる
  • SQLを仕込んでおけば、定期的に見たい(見せたい)指標を自動取得、自動グラフ化できる
  • ダッシュボードごとにアクセス権限を設定可なので、社外のステークホルダー(株主など)にもシェアしやすい
  • slack連携もできるので、いちいち見に行かなくて良い。KPIをslackの全社員が閲覧できる部屋に自動吐き出しすると楽
  • この辺の設定は非エンジニア(アナリスト、マーケ)で対応可

 

<BIツール>
■tableau

www.tableau.com

  • お値段は高いが、かなり使える
  • 無償版を試しましたが、 これさえあれば大概の分析はできます。
  • 他ツールとの連携先も多く、UIがよくできています。
  • 金さえあればこれを使うべき。

が、予算に見合わず、泣く泣く諦めました。

 

■Power BI

powerbi.microsoft.com

  • 有料ですが、スタートアップは条件さえクリアすれば2年間タダのプランが有りました(現在も有るかはご自身でお調べください)
  • これもBig Queryに接続し、相関分析などのちょとした分析を実行して、さくっとグラフ化するツールにしていました。Excelで組むより断然早い。
  • 仕様上、分析を実行するのはWinマシンのみといった制約があります(データ閲覧だけならMacでも可)。

■R studio

www.rstudio.com

  • 無料
  • 複雑な統計処理に長けたBIツール
  • 課題は、使う社員に統計の知識と簡単なプログラム知識が必要なため、敷居が高い

<得られたこと>

  • Big Query+re:dash+Slackでデータ共有を完全自動化
  • 社内でデータアクセスのハードルが下がり、PDCAサイクルが加速した
  • アナリストはSQLを叩く係から分析専門に深化がはかれた
  • プランナーは施策にコミットする時間が増えた

プロジェクト管理やチャットツールで業務効率化するには

大企業勤務の知人から「チャットツールやプロジェクト管理ツールでおすすめを教えて」と聞かれたので、こちらにまとめます。
関係者間のコミュニケーションコストを下げるのが目的ですね。

 

従来はメールや口頭が中心とのこと。

大企業勤務時代に経験したので、分かります。これでは履歴を追うのが大変、いちいち挨拶が必要、口頭は履歴が残らない課題があります。

 

さて、本来、コミュニケーションを交わしたい情報とは経緯と結果です。

経緯のようなフロー情報はチャットツールで、結果のようなストック情報はプロジェクト管理ツールで進めるのがおすすめです。

 

これらのツールを利用することでコミュニケーションコストはぐんと下がります。

 

■チャットツール

  • twitterのTLのように会話が流れていきます。
  • 挨拶不要、即本題
  • 要件ごとに部屋を作れて、招待ユーザーを設定できます
  • 社内だけでなく社外の人も招くことができます(社内ポリシーでNGの企業もあります)
  • 資料をドラッグ&ドロップでアップロードできます

つまり、より簡単にコミュニケーションができ、途中からアサインされても履歴を遡ることができます。
一方で、TLと同様流れていくフロー情報のため、必要な情報が埋もれる可能性も。これをプロジェクト管理ツールでフォローします。

 

■プロジェクト管理ツール

  • プロジェクト単位で情報をまとめることができます
  • プロジェクトごとに必要なタスクの作成と担当者のアサイン、タスクを自動でガントチャート化することができます。
  • 資料も貼り付けできます。

プロジェクトの目的、内容、現状を追うことができるのがメリットです。特に、どのタスクを、いつまでに、誰がやるのかを可視化できます。

 

<おすすめ> 

■チャットツール
・chatwork

go.chatwork.com

・slack

slack.com

・比較
機能はほぼ同じですが、slackの方が以下のメリットがあります

  • 連携先が豊富
  • markdown記法に対応しているので開発職は使いやすい
  • アメリカの会社が開発しているので海外企業はとっつきやすい

 

■プロジェクト管理ツール
タスク管理、プロジェクト管理、ガントチャートの自動作成ができるおすすめツールです。

・backlog

backlog.com

・trello

trello.com

 

・比較
機能はほぼ同じです。
が、trelloの方が連携サービスが豊富、UIがよく出来ています。
その分価格もtrello>backlogになります。

また、チャットツール連携もできますが、trelloの方が簡単です。

 

・個人的なおすすめ

trello & slackがおすすめです。

自動連携するとタスク漏れは少なくなるでしょう。

 

<導入の仕方>
リーダーが「このツールが良いので使おう」というトップダウンでも良いです。
が、やはりツールの向き不向きがあります。

そこで、試用期間を設け、メンバーに試しに使ってもらった上で使用ツールの結論を出す民主的な方法が良いかと。

 

<まとめ>

  • フロー情報はチャットで、ストック情報はプロジェクト管理ツールと使い分けする
  • まずはチームメンバーと試してみよう

 

近況

平日毎日更新を目標に1ヶ月ほど続けましたが、忙しくなってきましたので更新は不定期になります。

 

更新されるたびに読みに来てくれた皆さん、ありがとうございます。

私にできる範囲で何かご相談がありましたら、ご連絡をいただければ幸いです。

連絡先:

dms9000 (@dms9000) | Twitter

 

アズールレーンの売上をまとめてみた

アズールレーンの売上情報がtwitter で回ってきました。中国本土のツールがソースと思われます。真偽は定かではありませんが、いったんグラフ化しました。

 

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 ソース:

2月
https://twitter.com/azuren_online/status/970452984931823617
1月
https://twitter.com/KomaAsf/status/960874749361512453
12月
https://twitter.com/azuren_online/status/949471772415373312
11月
https://twitter.com/azuren_online/status/937512968572452864
10月
https://twitter.com/azuren_online/status/929529884426174464

 

見解:

この数字が実績に近いという前提に立ちます。ここから読み取れるのは以下の点です。

  • 売上は10月をピークに右肩下がり
  • 特に1月以降は前月比の減少幅が広がる

 

アズレンは1月〜2月はコラボやお年玉商品、着せ替えなど課金要素が増えたにも関わらず、売上の減少を食い止めきれないことがうかがえます。
売上の減少については非公開な指標(DAU、MAU、継続率、課金率)の動きが気になります。

 

また、アズレンは100万DLごとにキャンペーンを実施しており、100万DL単位の積み上げに必要な日数もはかれます。徐々に間隔が空いていることが分かります。

 

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ソース:各DL数突破記念キャンペーンのニュース

 

つまり、アズレンは新規ユーザー獲得ペースが鈍化していることを意味します。

無論、配信開始から半年近く経過しており、ある程度鈍るのは致し方ありません。

 

総じて、これだけの情報は結果に過ぎず、原因は抽出しきれません。

私の観測範囲による定性情報も加味すると、ユーザーは飽きつつあると考えます。

私が拾う限り、主なユーザーの声は以下の通り。

  • 周回以外にやれることが欲しい
  • 大艦隊のコンテンツ待ち
  • キャラを増やすのは良いが、それよりキャラの深掘りをした方が良いのでは
  • 陣営もあってないようなもので、こうした世界観の深掘りはないのか

 など。

 

おそらくユーザーとのリレーションを大事にするYostarさんには既知のことで、既に動かれているかと思います。

 

個人的にはアズレンを大変気に入ってまして、 毎日遊んでいますのでYostarさんには頑張って欲しいです。一方で職業上の視点から、ここまでインパクトのある売上推移から、戦略面の見直しもあり得ると考えます。

ひとまず、私にできることとして、ダイヤを買うことと応援することを続けます。